2018年5月29日火曜日

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5月29日火曜日(GMT+9)イタリアの政治リスク 円高対ユーロ進む
米国休場で欧州勢やりたい放題

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イタリアでは3月の総選挙以降、大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右「同盟」が連立政権樹立を目指していたが、次期首相に指名されていたジュセッペ・コンテ氏が前日、財務相の人選を巡ってマッタレッラ大統領と合意できずに組閣を断念した。

イタリアの次期首相候補ジュゼッペ・コンテ氏は27日、セルジオ・マッタレッラ大統領が経済相候補の入閣を承認しなかったのを受け、組閣を断念した。

マッタレッラ大統領は、提示された閣僚名簿のうち、欧州連合(EU)懐疑派のパオロ・サボナ氏だけは支持できなかったと述べた。

マッタレッラ大統領の姿勢は、連立政権の樹立を目指していたポピュリスト(大衆迎合主義者)政党、「五つ星運動」と「同盟」の怒りを買っている。「五つ星運動」のルイジ・ディ・マイオ党首は大統領の弾劾を要求した。

イタリアでは3月4日の総選挙以降、政権が発足しておらず、政治空白が続いている。

総選挙で32%の得票率を得た「五つ星運動」と18%の得票率だった極右政党「同盟」は今月初め、数日間に及ぶ協議を経て連立に合意していた。

ローマで取材するBBCのジェイムズ・レイノルズ記者は、大統領とポピュリスト政党の間で今、EUにおけるイタリアの立場をめぐる本格的な議論が起きていると伝えている。

マッタレッラ大統領は27日、暫定的な処置として、国際通貨基金(IMF)元エコノミストのカルロ・コッタレッリ氏を招致した。コッタレッリ氏は非ポピュリスト政権の首相として組閣する可能性がある。

ただ、この任命は長続きしない可能性があり、EUの域内共通通貨「ユーロ」へのイタリアの参加継続やイタリアの対EU関係など、突然持ち上がった議論を争点とした早期選挙が唯一、迅速な解決策かもしれないとレイノルズ記者は付け加えている。

何が起きたのか
政治とはこれまで縁のなかったコンテ氏は、11週間に及ぶイタリアの政治空白を打開すべく、五つ星運動と同盟によって次期首相候補に推薦された。

コンテ氏は次期政権の閣僚人事案を提出する会談のためマッタレッラ氏を訪ねたが、マッタレッラ氏はサボナ氏の経済相への起用を、同氏がEUに激しく反対していることを理由に拒否した。

イタリアの法律では、大統領は閣僚の任命を拒否する権利を持つ。しかしこの決定は議論を引き起こした。

五つ星運動のディ・マイオ党首はイタリア憲法90条に基づき大統領の弾劾を要求した。憲法90条は、議会で単純過半数の賛成票があった場合、議会が大統領に退任を求めることを認めている。



弾劾投票で賛成票が過半数となれば、イタリアの憲法裁判所が大統領を弾劾するかどうかを決定する。

ディ・マイオ氏は「今晩以降、この国の制度や法を信じるのは本当に難しくなる」と述べた。

次の展開は
マッタレッラ大統領は「経済相以外の全ての閣僚人事に同意し承認した」と話した。

マッタレッラ大統領は「次期政権の組閣の方法を変更できる私の立場に異議を述べられる人はいない」と語った。同大統領は新たな選挙を実施するかどうか決定を待つという。また、コッタレッリ氏を28日に会談するため招致したとも述べた。

現在64歳のコッタレッリ氏はIMFに長く勤務し、2008年から2013年までは財政局長を務めた。在職期間中にはイタリアの公共支出を削減し「ミスター・シザーズ」(シザーズははさみの意)の異名をとった。

2党からの他の反応は
ディ・マイオ氏は、サボナ氏の起用を拒否するマッタレッラ氏の決定を「受け入れられない」と述べた。

「これは前例なき制度の破壊だ」とディ・マイオ氏はフェイスブックに投稿した動画で語った。

同盟のマッテオ・サルビーニ書記長は新たな選挙を求めた。

サルビーニ氏はイタリア中部で支持者に対して行った演説で「民主主義では、もし我々がまだ民主主義の下にいるのならだが、やることはただ一つ、イタリア人に自らの意見を言わせることだ」と述べた。

市場の受け止め

1990年代に産業相を務めた経験のあるサボーナ氏は、EUへの批判的な姿勢で知られ、緊縮財政の反対派でもあるため、政府のEUへの拠出金案や、同国の国内総生産(GDP)の1~1.3倍といわれる膨大な債務が抑制できるのかについて懸念が生じていた。

同盟は個人税と法人税の減税や、数百億ユーロ規模の政府支出削減を目指して設計された年金制度改革案の後退を主張してきた。
マッタレッラ大統領は27日、ポピュリスト連立政権誕生の見通しが「イタリア人投資家や国外投資家に不安を感じさせ」、イタリアとドイツの10年国債の利回り差「スプレッド」を拡大させていると警告した。
スプレッドは25日、2.15%まで拡大。過去4年間で最大となった。格付け会社のムーディーズはイタリアの長期債務格付けを、投資適格としては最低水準の「Baa3」に引き下げる可能性があると警告した。

引用:BBC

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